昨今、「地域」と「再生可能エネルギー」という2つのキーワードを合わせた概念 – ご当地電力やコミュニティパワー − が話題となっています。
簡単にいえば、「地域で発電を行い、エネルギーの自給自足や売電による収益を通じて地域経済活性化等をめざそう」というような考え方です。
このような地域での再生可能エネルギー事業が検討されるようになった背景には、報道でもよく取り上げられる「固定価格買取制度」の実施があります。
ここのところ、再生可能エネルギー関係の報道が増えているのも固定価格買取制度が大きな要因の一つになっています。地域と再生可能エネルギーの関係性について考えるために、まずは固定価格買取制度とは何かを整理します。
固定価格買取制度を簡単に説明すると、「電力会社が再生可能エネルギーによって発電された電気を、一定の期間(基本的に20年間)、一定の価格で買い取ること」を義務付けたものです。
この制度はいわゆる再生可能エネルギー特別措置法にもとづいて2012年7月から開始され、その直後から制度を利用した再生可能エネルギー発電所、特に太陽光発電所が爆発的に増加しました。
買い取りの費用は一般需要家(つまり消費者)から賦課金(サーチャージ)という形で徴収し転嫁しています。毎月電力会社から届く「電気ご使用量のお知らせ」の料金内訳には、各家庭の電気使用量に応じた金額に加えて「再エネ発電賦課金」のような項目があり、賦課金が徴収されていることがわかります。
固定価格買取制度、ひいては現在の再生可能エネルギー発電事業は、全国の電力消費者の広く薄い負担によってなりたっているのです。
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