シリーズ「フカボリ”太陽光発電”」 第1節 太陽光発電のしくみを知る 第2回 系統連系と自家消費
「フカボリ”太陽光発電”」と題して、太陽光発電の基礎知識から近年の動向まで紹介する連載するシリーズの、第2回目のテーマは「系統連系と自家消費」についてです。
前回は太陽光発電設備の構成要素について紹介し、太陽光パネルによって作られた直流電力がパワーコンディショナーで交流電力に変換されるところまで説明しました。 今回は、その後電気がどのように利用されるのかについて紹介してきます。
発電設備によって作られた電気がその後たどる経路は、大きく分けて2種類あり、それが「系統連係」と「自家消費」です。 系統連系とは、送配電事業者が管理している配電系統に、発電した電気を流すことです。系統連系を行っている発電所で作られた電気は、配電線を通じて一般家庭などに供給されます。 さらに、配電系統に流した電気を電力会社に買い取ってもらうことができる、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」という制度があります。このFIT制度により、発電事業者としては発電所の建設に必要な費用の回収の見通しが立てやすくなり、電力会社としては自社で新たに発電所を建設しなくても電気を得ることができます。FIT制度の仕組みについては、またの機会に詳しく紹介する予定です。
対して自家消費は、発電した電気を発電所の近くにある建物や設備で使用することです。太陽光発電は天候などにより発電量が左右されやすいため、蓄電池も利用することで、需要と供給のバランスを取りながら電気を利用することができます。
また、発電した電気を自家消費し、余った電気を系統に流して売電するといった、系統連系と自家消費を組み合わせた利用方法もあります。住宅の屋根などに太陽光パネルを設置しているような、比較的小さな規模(10kW未満)の発電設備の場合は、このように余剰電力を売電していることが多いです。
今回は、系統連系と自家消費について簡単に紹介をしました。 次回のテーマは「光だけで発電するしくみ」を予定しています。 また、本サイトで取り扱ってほしい記事などがありましたら、お問い合わせにてお気軽にご連絡ください。
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