注目される農福連携
両陛下は2018年8月3日、「北海道150年記念式典」出席のため北海道に訪れ、「農福連携」で注目されている北広島市の「合同会社竹内農園」を視察されました。
同農園は2014年の設立当初から「農福連携」に取り組み、現在は同市内の2障害者福祉施設と農作業の業務委託契約を締結。障害のある福祉施設の利用者らが農園で農作業に当たっている。 両陛下は同日午後3時すぎ、農園に到着。経営する竹内さん(38)と妻の愛さん(35)が案内した。竹内さんはレタス、ピーマン、ナスビなど15種類の多品目栽培と農作業の細分化で、障害者雇用を創出する取り組みを説明。天皇陛下は「高齢者にとっても働ける仕組み。頑張ってください」と話されたという。ビニールハウス内ではミニトマトやピーマンの袋詰め作業も視察され、皇后さまは作業に当たる人たちに声を掛け「お体に気を付けてください」とねぎらわれた。 (中略) 両陛下は4日に利尻島を訪問、5日には札幌市内で開かれる北海道150年記念式典に出席し、同日の特別機で帰京される予定。
農福連携とは?
✔ 担い手の高齢化と減少が進む農業分野と、障害者や高齢者らの働く場の確保を求める福祉分野の連携のこと。(コトバンク「農福連携」より)
✔ 農林水産省のホームページには、“「農」と福祉の連携”というページが作られており、厚生労働省とともに「農福連携推進フォーラム」も開催しています。
✔ 厚生労働省は、「農福連携による障害者の就農促進プロジェクト」を実施しており、以下の様にまとめています。(厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課「農福連携施策について」/2017年2月14日「『農福連携』シンポジウム ~農業を通じた障害者就労、生活困窮者等の自立支援と農業・農村の活性化~」資料より )
● 農業分野での障害者の就労を支援し、障害者にとっての職域拡大や働くことでの収入拡大、農業にとっての担い手不足解消につなげ、地方の創生及び経済の成長に寄与する。 ● 障害者施設における農業の取組等に関して、農業に関する具体的なノウハウが乏しい等の課題 があることから、2020年までに、農業や6次産業化に取り組む障害者施設を支援するとともに、好事例の蓄積・普及を図りつつ、定期的にマルシェ(市場)を開催する。また、2020年には、外国人観光客や国民を対象に大々的なマルシェを開催する。
引用文にある「農福連携マルシェ」に関しては、コチラに掲載されています。
また、農福連携の支援等については、農林水産省が「福祉分野に農作業を ~支援制度などのご案内~」(2017年5月)にまとめていますので、そちらをご覧ください。
今後も「農福」の取組みは注目され、全国的に広がっていくことが予想されます。心や身体が不自由な方々、高齢者の方々、そして農家の方々。それぞれの想いが取り残されてしまうことのないような広がり方を期待します。
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