日経テクノロジーオンラインによると、水耕栽培と営農型太陽光の検証について報道されました。
千葉工業大学の久保裕史教授は10月12日、太陽光発電と植物工場のような水耕栽培を一体化した、新たな営農型の太陽光発電システムによる検証の状況を発表した。 農業関連のベンチャー企業であるセプトアグリ(横浜市鶴見区)、エムエスイー(千葉市稲毛区)との共同研究の一環で、9月にドイツで開催された学会(Electronics Goes Green 2016+)において発表した。 営農型の太陽光発電は一般的に、既存の農地の上に支柱を立てて太陽光パネルを設置し、発電と農作で太陽光を分け合う。 これに対して、今回のシステムは、農地の上に設置することに変わりはないものの、地面で農作をするのではなく、植物工場のような栽培システムで農作する。この栽培システムも、太陽光パネルを並べるのと同じように、支柱で支えて組み込む。 太陽光パネルは、1軸追尾型のシステムで支えている。太陽の位置に合わせた向きを事前に予測して駆動させる仕組み。 パネルは、南北方向に長い回転用の単管パイプに固定され、朝は表面を東向きに、昼は真上に、夕は西向きに徐々に傾けていく。これによって、パネルごとの発電量を最大化できる。 [中略] また、植物工場のような水耕栽培システムによって、単位面積当たりの農作物の収穫による収入も最大化でき、かつ、栽培に関する手間や作業の負荷を軽減できるという。 水耕栽培システムは、セプトアグリが開発した手法による。水を流すだけで農作物を栽培できる。樹脂製のトレイを使う。トレイには、苗を収納するポットや、水が流れる溝などが形成されている。 地下水をトレイの上流から流すと、水が溝を流れてゆき、上流側から次々と苗に給水できる。苗を収めたポットには、肥料なども入っており、給水と同時に苗に届く仕組みという。 栽培したのは、レタス、ボストンレタス(サラダ菜の一種)、レッドリーフレタスである。約3週間かけて室内の植物工場で苗を培養し、苗を水耕栽培システムに移植後、約2週間で収穫できた。 [中略] 太陽光発電、農作ともに、収益性が十分にあることを検証できたとしている。太陽光発電システムは、追尾式にすることでコスト増となるものの、売電収入の増加分との相殺で、3年間以内に回収できる範囲という。 また、植物工場としてみた場合にも、高価な建物や空調が不要なこと、給水や温度管理に必要な電気は蓄電池などを追加することによって、太陽光発電の電力だけでまかなえる可能性があると強調している。
電気がある畑の誕生により、発電所と植物工場の一体化という新たな可能性に注目です。
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