太陽光発電“魔の時間”も電気を安定化
太陽電池大手のファーストソーラー(アメリカアリゾナ州)は、通信機能を使って太陽光発電所の出力を常に調整できる技術を確立しました。天候の影響で太陽光発電の出力が変動しても、高速制御によって品質を整えた電気を送電できるようになります。
大規模太陽光発電所(メガソーラー)の上空を雲が横切ったり、急に日差しが出たりすると出力が急変する。変動した電気を受け入れた電力系統は電圧や周波数が乱れ、送配電設備や工場設備に故障を引きおこす。電力需要が少ない割に太陽光発電からの供給量が多いと電気の品質が不安定化しやすい。季節だと春、時間帯だと明け方などが“魔の時間”だ。 ファーストソーラーは米国立再生可能エネルギー研究所、カリフォルニア独立系統運用者との3者でカリフォルニア州にある出力30万キロワットの巨大メガソーラーを使い調整を試みた。系統運用者側にパワープラントコントローラー(PPC)と呼ぶ装置を設置し、メガソーラー側のインバーター(日本のパワーコンディショナー)と通信回線で接続。PPCが系統を計測し、電圧や周波数に急変があるとインバーターに調整するよう指示を出す。インバーターは系統へ送り出す電気の出力を絞ったり、増やしたりして乱れを打ち消す。 (中略) 明け方、日中、日没のそれぞれの時間帯、4秒おきに指示を出したところ87―93%の確率で指示通りになった。結果に自信を深めており「技術を商業化する検討を始めている」という。
日本では蓄電池の充電・放電の切り替えで電気の品質を維持しようと検討されているそうですが、蓄電池は高価なため、頼りすぎると社会的コストが増してしまうとのこと。今後は、今回のファーストソーラーの方法が、太陽光発電の大量導入を支える方法の一つとなるかもしれません。
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